愛がないなど言わせない。 これ以上ないほどに。 私は彼を大事にしている。 ただ。 例えば愛の形を問うて、明確な形が出せるかといえばそれは迷われるように。 一般的と、ほんの少しずれている。 それだけの、話なのではなかろうか。 呻く彼の首に繋がる鎖を、引いてみる。 低くなる金属の音に、笑みが深まっていったのが自分でもわかる。 嗚呼、なんて。 「彼女を」 愛しているとは、思わない。 愛しているという、言葉とは違う愛が、私の胸に宿っているから。 だから。 「救う手立てなど、ありませんよ?」 どれだけ這いずって生きようと。 どれだけ辛酸を舐め続けようと。 貴方はずっと、我々のもの。 徐福の美術品として以外、生きる道などありはしない。 わかっているはずなのに、150年。 足掻くのだから、本当に無様で可哀想としか言いようが無い。 そう。 可哀想だから。 可哀想で可哀相で、仕方が無いから。 だから。 希望を打ち砕いてあげる。 願いを踏み躙ってあげる。 望みなど消してあげる。 余計な夢など、見ないように。 それが私の愛で、優しさ。 醜く美しい化け物には、過ぎた優しさかもしれないけれど。 「本当に、お可哀想な方だ―――思徒少爺?」 愛が定義されない以上。 これもまた、愛の形。 *** BGMがへるぷみーえーりんな件について。(ぉ |