ルルーシュ・ルイス・フォン・シュヴァルツシルト Lelouch・Lewiss・Von・Schwarzchild. EU、ドイツ系貴族。 17歳。 爵位は子爵。 父親は故アイゼン・バルドゥウィーン・フォン・シュヴァルツシルト(Eisen・Balduin・Von・Schwarzchild.)子爵。 母親はマリア・アンダーソン(Maria・undersn)。八年前逝去。 以後、生活レベルは中。 二十年ほど前、マリア・アンダーソンがシュヴァルツシルト家にメイドとして雇われたことは確認済み。 ベルリンのクロイツベルグ地区に住んでいたが近年シュヴァルツシルト卿が逝去。 爵位を譲られる段になり、遺言状が公開。 子どもはいないということだったが、その場で認知されていない子供がいることが発覚。 遺言に従い、彼を正式にシュヴァルツシルト家に迎えることが決定。 なお、正妻もすでに逝去しており、彼女との間に子どもはなかったという証言は既に取られている。 故シュヴァルツシルト子爵とのDNA鑑定の結果、親子であることが判明。 後見人はユーリウス・ライヒアルト・ホルスト(Julius Reichardt Horst)氏 故シュヴァルツシルト氏の、親友であり又従兄弟にあたる。 現在、荘園とシュヴァルツシルト氏が残した企業両方を経営。 生活拠点を中華連邦に移し、活動中。 ざっと見る限り、おかしな点はどこにもなかった。 ご丁寧に、DNA鑑定結果まで資料には添付されている。 ブリタニアの風も確かに強いとはいえ、EU系貴族の情報をここまで集められるとは。 本当に、ロイドというひとはなにものだろうと流石のスザクも顔をゆがめた。 「落ち着いたぁ? これで少しは」 「………えぇ。まぁ」 腑に落ちない点は多々あれど、一応はそう答えておく。 こんなもの、彼にかかればあっという間に用意出来てしまうだろう。 なにしろ、彼には他者を問答無用で絶対服従させてしまう能力が宿っているのだから。 偽造くらい、わけもないはずだ。 「まぁ、あんまり顔を合わすことはないだろうけどね。シュヴァルツシルト家が得意なのって、軍需産業じゃないし」 「……違うんですか?」 「軍需産業は、先々代からあまりお好きじゃないみたいだよ。とはいえ、医療機器のほうは強いからねぇ。ちなみに、そこのパイプベッドは彼の会社製」 「………」 なんとなく、嫌になってただでさえ離れているというのにスザクはまた一歩壁側に近づいた。 そうすることで、ベッドから遠のく。 「あの、シュヴァルツシルト卿と一緒にいた女の子のこと、知りませんか?」 「女の子ぉ?」 「えぇ。えっと、髪が長くてライトグリーンの色で、彼と一緒にいたんですが」 「あ〜あ。それきっと、幼馴染っていう子だよ」 「幼馴染?」 「そ。なんでも、シュヴァルツシルト卿が引き取られる、ってなったときに、苦楽を共にした幼馴染を連れて行かない気か。って、車に乗り込んでそのまま シュヴァルツシルト家に居座っちゃったらしいよぉ」 剛毅な子だよねぇ、とのんきに笑うけれど、スザクは矢張り笑えなかった。 ナリタで見た拘束服の少女。 ゼロとともに居た少女。 確信ばかりが募っていく。 ルルーシュ・ルイス・フォン・シュヴァルツシルト。 彼は、ルルーシュだ。自身のよく知る、ルルーシュ。 ゼロだ。 何故、のこのこと顔が出せる。 何故、平然と生きていられる。 エリア11を、あれほどの混乱と破壊と殺戮に叩き込んでおいて。 イレヴンを、あれだけ多く煽って煽って仕舞いには殺しておいて。 なんでそう、生きていられる。 資料の紙が、ぐしゃりと歪んだ。 けれど、ロイドは笑ったままだ。 「気づいてるかい、スザクくん」 「え………?」 「すごい顔してるよ」 にこにことした笑顔を、欠片も崩さずに。 言うのがそんな、場違いなことだ。 「いいけどね。君、人間として色々危ないし。いいんじゃない? 事情はよく知らないけどさぁ」 それが君の生きる理由になるなら、どこまでだって憎ませてくれるさ。 頷くことさえ返せぬまま。 ぐしゃり。と、スザクの手は今度こそ資料を握りつぶした。 髪の長い女性をエスコートする、麗しい笑顔。 殺意だけが湧き上がって、世界を冥く輝かせる。 *** 蛇足。貴族ルルのプロフィールはこんな感じです。というのを書きたかっただけなのですが・・・。 あれ?(笑 |