だから、さよなら




「お前は俺を救えない。俺もお前は救えない。だからこれでお終いなんだ。この話は、ここでお終いなんだよ。―――スザク」
 朝日が昇る。
 けれどさようなら。
 二度と会うことはないでしょう。
 お前が光の世界に行くように。
 俺は行く世界を選んでしまったのだから。
 だからさようなら。
 二度と会うことはないでしょう。
「さようなら、スザク」
 はじめてなれた友達。
 七年前から友達でいたけれど。
 もう、友達でもなんでもない。
「ルルーシュ、僕は」
「聞かない」
 言い募る言葉さえ、封じ込めて。
 さようなら。
 決意を変えることなど、誰にも出来はしない。
 そう、愛しい妹たちでさえ。
「さようなら、スザク。お前を俺は救えない、お前も俺を救えない。それだけのことだったんだ」
 はじめからわかっていたはずなのに。
 足掻いていた、愚かな自分。
 足掻くこともしなかったことを、責める気はルルーシュには毛頭無い。
 だってきっと、スザクは気付いていないだろうから。
 教えないのは最後の優しさか。
 最期の優しさか。
 朝日が昇る。
 永遠にさようなら。
 別れるには、今日はきっと良い日。だってほら、雲が少ない。
 晴天だろう。
 あの、夏の日のように。
―――だから。
「さようなら、スザク。俺の友達だったひと」
 すきだったよ、すきだったよ、ともだちだとおもっていたよ。
 それらを全て、過去のことにして。
「さようなら、枢木スザク」
 互いにどうにもならない二人だから。
 これでさようなら。
 愚かな結末にするために、決着をつけよう。
 はじまらない二人だったけど、終わりは存在するから。



***
 足踏み状態のまま終わる二人、が書きたかったんですが。
 うん、駄目だね!!(脱兎





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